動画 ~おもむき堂~ 2010年04月

~おもむき堂~

趣味に走った日記です。何でもあったり、何にもなかったりします。

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そば処 武蔵に見るわびとさび

以前書いたカレーのレビュー「この世の真理はツナパハにあり」と似てくるが、
食事という世界観の中で味わいという名のストーリーが進行し、
食べ終わるまでにその物語が完結するメニューが大好きだ。
日本を代表する「ざるそば」も、その一種だろう。

今回は春日市自衛隊基地の近く「そば処 武蔵」の
「大ざるそば(800円)」をいただいた。

IMG_0605.jpg

めんつゆにネギとワサビを好みで入れる。
箸で麺を少しつまむ。
つゆに7割くらい麺をひたす。
つるつる、っといただく。

この一連の動作はもはや日本の様式美と言っても
過言ではないだろう。
相撲の取組前、塩を撒いてお互い睨み合う時間、
舞台上の黒子を「本来いないもの」として鑑賞する感覚、
庵でお茶を召す時にくるくる器を回す動作。
ざるそばにおける食前の動きにも、似たようなものを感じる。

さらに透明感のある舌触りとのどごしに加え、
一本一本に静かな力強さを感じる歯ごたえ。
そのどれもが、日本特有とも言える「主張しない美」の
体現であるかのようだ。

IMG_0607.jpg

スッと差し出されるそば湯は、この世の真理はツナパハにあり
で言うところのアイスティーにあたる。
あちらは現実へグイッと引き戻す引力であるのに対し、
そば湯に大きな主張は存在しない。ただそこには
「お茶で一息つく前に、できればこちらを
たしなんでみられてはいかがでしょうか」的な
店主の奥ゆかしさが添えられている。
やはり思うに、そば湯には客への愛情、そばへの愛情が
注がれているようだ。

最後に緑茶をずずず、とすする瞬間、
口中にある全ての要素と絶妙にリンクし、脳内の旨味を感じる部分へ
新雪に足を踏み入れたような軌跡を残す。
のほほん、と形容できる幸せを噛み締めながらしっかりと飲み干し、
ひと呼吸置いた刹那、後味がこう呟く。
「おあとがよろしいようで」

そして、ゆっくりと過ぎる時間だけが残るのである。
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テーマ:食べ物の写真 - ジャンル:写真

  1. 2010/04/30(金) 22:38:43|
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